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骨粗しょう症のお薬を飲んでいる方へ|インプラント治療前に確認したいこと

投稿日:2026年09月16日

こんにちは!東京都中央区銀座の歯医者、東京銀座歯科 院長の

中平宏

です。

「骨粗しょう症の薬を飲んでいるけれど、インプラント治療は受けられるのだろうか」と心配される方は少なくありません。

骨粗しょう症は、特に50代以降の方にとって身近な疾患の一つです。骨折を予防するために薬を継続している方も多い一方、インプラント治療では顎の骨に人工歯根を埋め込むため、「骨に関係する薬を飲んでいても大丈夫なのか」と不安になるのは自然なことだと思います。

実際には、骨粗しょう症の薬を服用しているからといって、すべての方がインプラント治療を受けられないわけではありません。ただし、薬の種類や投与方法、服用期間、全身状態などによって注意すべき点が異なります。

今回は、骨粗しょう症のお薬とインプラント治療の関係について、治療前に確認しておきたいポイントを解説します。

目次

  1. 骨粗しょう症の薬を飲んでいてもインプラントはできる?
  2. なぜ骨粗しょう症の薬に注意が必要なのか
  3. インプラント治療前に確認したいポイント
  4. 自己判断で薬を中止してはいけない理由
  5. インプラント以外の治療法も含めて考えることが大切
  6. 長期的に考えたインプラント治療とは

骨粗しょう症の薬を飲んでいてもインプラントはできる?

女性が薬を飲もうしているところ

結論からいうと、骨粗しょう症のお薬を服用している方でも、薬の種類や全身状態などを確認したうえでインプラント治療を検討できる場合があります

骨粗しょう症の治療では、骨吸収を抑える薬などが使用されます。代表的なものとして、ビスホスホネート製剤やデノスマブなどがあります。

これらの薬は骨の代謝に作用するため、歯科治療、とくに抜歯などの顎の骨に関係する処置を行う際には、治療内容や薬剤の使用状況を把握しておく必要があります。

特に重要なのは、「骨粗しょう症の薬を飲んでいる」という情報だけで治療の可否を判断しないことです。

同じ骨粗しょう症の治療薬でも、薬剤の種類、飲み薬なのか注射薬なのか、投与頻度や使用期間などによって状況は異なります。また、糖尿病などの全身疾患、喫煙習慣、口腔内の衛生状態など、ほかの要素も治療計画に関係します。

そのため、インプラントを検討する場合には、現在使用している薬を歯科医師に伝え、必要に応じて主治医とも情報を共有しながら判断することが大切です。

骨粗しょう症の治療を続けながらインプラントを検討できるケースもありますが、一人ひとり条件が異なるため、適切な診査・診断が欠かせません

なぜ骨粗しょう症の薬に注意が必要なのか

骨の密度のイメージ

骨粗しょう症のお薬について注意が必要なのは、一部の薬剤では顎の骨に関連する合併症との関係が知られているためです。

代表的なものが、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)です。これは、骨吸収を抑える薬などを使用している患者さんにおいて、顎の骨の露出や感染などを伴う病態です。

ただし、「薬を飲んでいる=顎の骨が壊れる」という単純な話ではありません。薬剤の種類だけではなく、抜歯などの外科的処置、口腔内の感染、歯周病、全身状態など、複数の要因が関係します。

インプラント治療では、顎の骨にインプラント体を埋め込む外科処置を行います。そのため、治療を始める前に、現在の口腔内の状態と薬剤の使用状況を把握しておく必要があります。

また、すでにインプラントが入っている方にとっても、骨粗しょう症の治療を始める際には歯科医師に相談しておくことが重要です。

「インプラントを入れているから骨粗しょう症の薬を飲めない」ということではありません。反対に、「インプラントが入っているから何も気にしなくてよい」とも言い切れません。

大切なのは、歯科と医科の双方で治療状況を共有し、その時点で必要な対応を検討することです。

インプラント治療前に確認したいポイント

インプラント

インプラント治療を検討している場合、まず確認したいのがどの骨粗しょう症治療薬を、どのように使用しているかです。

お薬手帳や薬剤の名前が分かるものを持参していただくと、歯科医師が治療計画を検討するうえで役立ちます。

さらに、服用期間や投与頻度、これまでに骨粗しょう症以外の治療で使用した薬剤なども確認します。

そのうえで、顎の骨や歯ぐきの状態を診査します。インプラント治療では、単に「骨の量があるか」だけを見るわけではありません。残っている歯の状態、歯周病の有無、噛み合わせ、口腔清掃の状態など、お口全体のバランスを確認する必要があります。

特に歯周病がある場合には注意が必要です。

インプラントを長く使用するためには、インプラントそのものだけではなく、周囲の歯ぐきや骨を健康に保つことが重要だからです。天然歯の歯周病と同様に、インプラントの周囲にも炎症が起こることがあります。

また、インプラントを入れる部分だけを見て治療方針を決めるのではなく、将来的に残っている歯をどう維持していくのかまで考えることが大切です。

特に歯を多く失っている方では、1本だけを治療するのか、複数本のインプラントを用いるのか、あるいは入れ歯などを組み合わせるのかによって、治療計画は大きく変わります。

骨粗しょう症のお薬を服用している方の場合も、薬剤の確認と口腔内の診査を行ったうえで、将来を見据えて治療方法を考えることが重要です

自己判断で薬を中止してはいけない理由

インプラント治療を考えているからといって、骨粗しょう症のお薬を自己判断で中止することは避けてください。

骨粗しょう症の治療薬には、それぞれ使用する目的があります。治療を中断することで、骨折リスクなどに影響する可能性もあります。

特にデノスマブなど、一部の薬剤では治療スケジュールや中断後の対応について注意が必要とされています。そのため、歯科治療を理由に薬を止めるかどうかは、歯科医師だけで決めるものではありません。

必要に応じて骨粗しょう症を診ている主治医と相談し、歯科治療とのバランスを考えて判断します。

ここで大切なのは、**「インプラント治療のために薬を止める」のではなく、「現在の全身状態と歯科治療の内容を踏まえて、医科と歯科で治療方針を検討する」**という考え方です。

患者さんご自身が薬の名前や服用状況を正確に把握しておくことも、治療を安全に進めるための重要な情報になります。

インプラント以外の治療法も含めて考えることが大切

歯の模型と歯科器具

歯を失った場合の治療法は、インプラントだけではありません。代表的な選択肢として、入れ歯やブリッジがあります。

ブリッジは、失った歯の両隣にある歯などを支えとして人工歯を固定する方法です。一方、入れ歯は取り外しができる人工歯を用いて、失った歯を補います。

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込むため、周囲の健康な歯を支えとして利用しないという特徴があります。また、固定式の上部構造を使用する場合には、取り外し式の入れ歯とは異なる噛み心地を得られる可能性があります。

しかし、外科的な処置が必要であり、誰にでも同じ治療が適しているわけではありません。

骨粗しょう症の治療を受けている方の場合も、「インプラントができるか、できないか」という二択だけで考えるのではなく、現在のお口の状態や全身状態、使用している薬剤、治療に対する希望などを踏まえて選択することが大切です。

特に50代、60代、70代と年齢を重ねるにつれて、歯科治療では「今どうするか」だけではなく、「10年後、20年後にお口をどう維持するか」という視点が重要になります。

噛む機能を回復させることだけでなく、清掃のしやすさやメンテナンスの継続、残っている歯への負担なども含めて考える必要があります。

長期的に考えたインプラント治療とは

インプラント治療では、人工歯を入れた時点がゴールではありません。長く快適に使うためには、その後のメンテナンスが重要になります。

特に骨粗しょう症の治療を受けている方は、インプラント治療を受ける前だけでなく、治療後も自身の服薬状況や全身状態に変化があれば歯科医師に伝えることが大切です。

また、インプラント周囲の清掃状態を確認し、歯ぐきに炎症がないか、噛み合わせに問題がないかなどを定期的に確認します。

これはインプラントだけの話ではありません。残っている天然歯を守ることも、お口全体の健康を維持するうえで重要です。

「歯を失った部分を補う」という短期的な視点だけでなく、「残っている歯をどう守るか」「噛む機能をどう維持するか」「将来的な治療負担をどう考えるか」という長期的な視点を持つことが、ヘルシーエイジングを考えるうえでも大切だと考えています。

インプラント治療を検討する際には、治療そのものだけでなく、その後のメンテナンスまで含めて、自分にとって無理なく続けられる治療なのかを考えてみてください。

まとめ

中平院長

骨粗しょう症のお薬を服用しているからといって、すべての方がインプラント治療を受けられないわけではありません。一方で、薬剤の種類や投与方法、全身状態、口腔内の状態などによって注意すべき点が異なるため、治療前の確認が重要です。

特に、現在使用している薬を自己判断で中止することは避け、必要に応じて歯科医師と骨粗しょう症の主治医が連携して治療方針を検討することが大切です。

インプラント、入れ歯、ブリッジにはそれぞれ特徴があり、一人ひとりに適した選択肢も異なります。だからこそ、目先の治療だけではなく、お口全体のバランスや噛む機能、QOL(生活の質)まで含めて長期的に考えることが重要です。

銀座でインプラントをご検討中の方、骨粗しょう症のお薬を服用していて治療について迷われている方は、まず現在のお薬や全身状態を含めて相談し、ご自身に合った治療の選択肢を検討していただきたいと思います。

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