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全顎インプラントとは?歯がほとんどない方のための治療法を歯科医が解説

投稿日:2026年08月12日

歯を専門家が調べているイメージ

こんにちは!東京都中央区銀座の歯医者、東京銀座歯科 院長の

中平宏

です。

「歯がほとんど残っていないけれど、入れ歯以外の治療方法はあるのだろうか」「何本も歯を失ってしまった場合でも、インプラントはできるのだろうか」と悩まれている方は少なくありません。

特に50代、60代、70代になると、長年のむし歯や歯周病、歯の破折などが重なり、複数の歯を同時に治療しなければならないケースもあります。そのような場合に検討される治療の一つが、インプラントを用いた全顎治療です。

全顎治療とは、上下すべての歯、あるいは広範囲の歯を対象として、噛み合わせや見た目、噛む機能などをお口全体で考えながら再構築していく治療です。東京銀座歯科でも、インプラントを用いた全顎的な口腔機能の回復を行っています。

今回は、全顎インプラントとはどのような治療なのか、一般的なインプラントとの違い、どのような方が検討するのか、治療前に何を確認する必要があるのかについて解説します。

目次

  • 全顎インプラントとは?
  • 一般的なインプラント治療との違い
  • 全顎インプラントはどのような方が検討する?
  • なぜ全顎治療では「お口全体」を診る必要があるのか
  • 全顎インプラントでは何本のインプラントを入れる?
  • 入れ歯・ブリッジと全顎インプラントの違い
  • 全顎インプラントのメリットと注意点
  • 治療前に重要な診査・診断と治療計画
  • 全顎治療は長期的な視点で考えることが大切
  • まとめ

全顎インプラントとは?

全顎インプラントとは、歯を1本失った場合に1本のインプラントを入れるような部分的な治療とは異なり、歯を多数失った方に対して、インプラントを利用しながらお口全体の噛み合わせや機能を再構築していく治療の考え方です。

そもそもインプラントとは、歯を失った部分のあごの骨に「インプラント体」と呼ばれるチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療方法です。1本の歯を失った場合だけでなく、複数の歯を失った場合にも利用されます。

一方、全顎治療では、単に失った歯を補うだけでは十分ではありません。

たとえば、奥歯を長期間失っていると、残っている前歯に噛む力が集中したり、噛み合わせのバランスが変化したりすることがあります。残っている歯にもむし歯や歯周病などの問題があれば、それらも含めて治療計画を考える必要があります。

つまり全顎治療では、「歯がない場所に何本インプラントを入れるか」だけではなく、「なぜ歯を失ったのか」「現在のお口の状態はどうなっているのか」「これからどのような噛み合わせをつくるのか」を考えることが重要です。

東京銀座歯科でも、全顎治療を上下すべて、または広範囲の歯を対象に、噛み合わせ・見た目・機能を総合的に再構築する治療として位置づけています。

一般的なインプラント治療との違い

一般的なインプラント治療と全顎治療の大きな違いは、治療対象の範囲と治療計画の考え方にあります。

たとえば、奥歯を1本失った場合、その部分だけを診査してインプラント治療を計画することがあります。もちろん周囲の歯や噛み合わせも確認しますが、基本的には失った部分を補うことが治療の中心になります。

一方、歯を多数失っている場合には、1本ずつ個別に治療するだけでは、お口全体のバランスが整わないことがあります。

残っている歯の状態、歯周病の有無、上下の歯の噛み合わせ、あごの位置、人工歯をどのように配置するかなど、多くの要素を総合的に検討する必要があります。

そのため全顎治療では、「悪い歯を順番に治療する」という考え方ではなく、最終的なお口全体の状態を想定したうえで、治療計画を組み立てていくことが大切です。

これは、インプラントの本数を増やせば解決するという話ではありません。むしろ、必要なインプラントの位置や本数を検討しながら、残せる歯をどうするのか、人工歯をどのように設計するのかまで考える必要があります。

全顎インプラントはどのような方が検討する?

全顎インプラントは、歯を多数失っている方や、これから複数の歯を抜歯する必要がある方などが治療の選択肢として検討することがあります。

具体的には、長期間にわたる歯周病によって多くの歯が動揺している方、複数の歯にむし歯や歯の根の病気があり保存が難しい方、奥歯を失って十分に噛めなくなっている方などです。

また、総入れ歯を使用しているものの、装着感や噛み心地などについて悩んでいる方が、インプラントを利用した治療を検討することもあります。

ただし、「歯がほとんどないから全顎インプラント」というように、一律に治療方法が決まるわけではありません。

残っている歯を保存できる可能性があるのか、歯周病の状態はどうなのか、あごの骨の状態はどうなのか、全身状態や服薬状況に問題はないかなどを確認する必要があります。

そのうえで、インプラント、入れ歯、ブリッジなどの選択肢を比較し、ご本人にとって適切と考えられる治療方法を検討していきます。

なぜ全顎治療では「お口全体」を診る必要があるのか

全顎治療で重要なのは、失った歯だけを見るのではなく、残っている歯や噛み合わせまで含めてお口全体を診ることです。

歯はそれぞれ独立して機能しているわけではありません。上下の歯が噛み合い、左右の奥歯や前歯が役割を分担することで、食べ物を噛むという機能が成り立っています。

たとえば奥歯を長期間失った状態では、残っている前歯に負担が集中することがあります。実際に東京銀座歯科が公開している全顎的なインプラント治療の症例でも、複数の奥歯を長期間失ったことで前歯に過度な咀嚼力がかかり、歯の根にひびが入ったり折れたりしている状態が確認されています。

このような状態で、単純に「なくなった歯を補う」だけでは、治療後の噛み合わせや力のかかり方まで十分に考えられない可能性があります。

だからこそ、全顎治療では、現在のお口の状態を把握したうえで、どのような噛み合わせをつくるのかを先に考え、それを実現するための治療を組み立てていくことが重要になります。

全顎インプラントでは何本のインプラントを入れる?

全顎インプラントだからといって、必ずすべての失った歯に1本ずつインプラントを入れるわけではありません。

必要な本数は、あごの骨の状態、残っている歯、噛み合わせ、人工歯の設計などによって一人ひとり異なります。

東京銀座歯科では、あご全体に及ぶインプラント治療において、片あごに複数本のインプラントを配置し、それらを利用して複数の人工歯を支える方法も行っています。ワンデイインプラントでは、片あごに4~6本のインプラントをバランスよく埋入し、日常生活に必要な12本の歯を支える考え方が紹介されています。

ただし、これはすべての患者さんに同じ方法が適用されるという意味ではありません。

インプラントの本数は「多ければ多いほどよい」というものではなく、骨の状態や噛み合わせ、人工歯の設計などを踏まえて検討する必要があります。

全顎治療では、必要な機能をどのように回復し、それを長期的に維持していくかという視点から、治療方法を考えることが大切です。

入れ歯・ブリッジと全顎インプラントの違い

歯を多数失った場合の治療方法は、インプラントだけではありません。入れ歯やブリッジも重要な選択肢です。

入れ歯は、失った歯を人工歯で補う治療です。取り外しができるため清掃しやすい一方、装着感や噛み心地について悩まれる方もいます。

ブリッジは、失った歯の両隣にある歯を支台として人工歯を固定する方法です。固定式であることが特徴ですが、支台となる歯の状態によっては適用できない場合があります。

インプラントは、あごの骨に埋め込んだ人工歯根を利用して人工歯を支えるため、隣の天然歯を支台として利用せずに治療できる点が特徴です。東京銀座歯科でも、インプラントは歯を失った場合の治療方法の一つとして、入れ歯やブリッジと比較しながら説明しています。

ただし、インプラントにも外科手術が必要になること、治療期間や費用がかかること、治療後も継続したメンテナンスが必要になることなど、考慮すべき点があります。

そのため、「インプラントだからよい」「入れ歯だから悪い」という単純な比較ではなく、それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分のお口の状態や生活スタイルに合った治療方法を選ぶことが大切です。

全顎インプラントのメリットと注意点

全顎インプラントの大きな特徴は、インプラントを利用して、広範囲に失われた噛む機能を再構築できる可能性があることです。

特に、歯を多数失った場合には、単に歯の本数を補うだけでなく、上下の噛み合わせや人工歯の配置を含めて治療計画を考えられる点が重要になります。

一方で、インプラント治療は外科手術を伴うため、誰にでも同じように適用できるわけではありません。

あごの骨の量や質、歯周病の状態、全身状態、服用している薬などを確認する必要があります。骨の量が不足している場合には、骨造成などの追加処置が検討されることもあります。東京銀座歯科でも、骨の状態に応じた骨造成術を行っています。

また、治療が終わった後も、インプラントを長く使うためには日々のブラッシングと定期的なメンテナンスが重要です。インプラントを入れて終わりではなく、その後のお口全体の健康を維持することまで含めて治療を考える必要があります。

治療前に重要な診査・診断と治療計画

全顎インプラントでは、治療を始める前の診査・診断が特に重要です。

歯科用CTなどを用いてあごの骨の状態を確認するだけでなく、残っている歯の状態、歯周病、噛み合わせ、人工歯を装着する位置などを総合的に検討します。

東京銀座歯科では、問診やCTを含む各種検査を行い、その後、一人ひとりに合わせた治療計画を提案する方針を掲げています。治療を進めるかどうかについても、内容を理解したうえで検討できるようにしています。

全顎治療では、現在の問題だけを解決するのではなく、治療後のお口の状態まで考えて治療計画を立てる必要があります。

「どの歯を残すのか」「どこにインプラントを配置するのか」「どのような人工歯を入れるのか」「どのような噛み合わせを目指すのか」。

これらを別々に考えるのではなく、一つの治療計画として検討することが重要です。

全顎治療は長期的な視点で考えることが大切

全顎インプラントを検討する際には、治療直後の状態だけでなく、その後10年、20年と生活していくことまで考える必要があります。

50代、60代、70代で治療を受ける場合、治療後も長い年月にわたって歯やインプラントと付き合っていくことになります。そのため、見た目だけでなく、噛む機能や清掃のしやすさ、残っている天然歯とのバランスなども含めて考えることが大切です。

また、年齢を重ねると、身体的な変化や生活環境の変化も起こります。だからこそ、現在の状態だけを基準にするのではなく、将来を見据えた治療計画を立てることが、QOL(生活の質)を考えるうえでも重要になります。

これは「できるだけ多くの歯を入れる」という考え方とは少し違います。

大切なのは、患者さん一人ひとりのお口の状態を適切に診査・診断し、必要な治療を組み合わせながら、長く快適に使うためのお口の環境を整えていくことです。

東京銀座歯科では、インプラントを用いた全顎治療について、噛み合わせや機能、治療後の長期的な安定まで考慮した治療を行っています。公式サイトでは、全顎治療について「CT・シミュレーションを用いた事前診断」や、治療後の長期安定を見据えた設計を特徴として掲げています。

まとめ

全顎インプラントとは、歯がほとんどない方に対して、単に失った歯をインプラントで補うだけではなく、お口全体の噛み合わせや機能、見た目などを総合的に考えて治療する方法の一つです。

特に、複数の歯を失っている方や、重度の歯周病などによって多くの歯の保存が難しくなっている方、総入れ歯に悩んでいる方などは、治療の選択肢の一つとして検討することがあります。

ただし、全顎インプラントがすべての方に適しているわけではありません。残っている歯の状態、歯周病、あごの骨、全身状態、服薬状況などを確認したうえで、入れ歯やブリッジなども含めて治療方法を検討することが大切です。

また、全顎治療では「インプラントを何本入れるか」だけに目を向けるのではなく、なぜ歯を失ったのか、どのような噛み合わせをつくるのか、治療後にどのように維持していくのかまで、長期的に考える必要があります。

歯を多く失ってしまった方にとって、治療方法の選択はこれからの食事や会話など、日々の生活にも関わる大切な問題です。

銀座でインプラントをご検討中の方、銀座で歯を失った際の治療法にお悩みの方は、まず現在のお口の状態を適切に診査・診断し、自分に合った治療方法を検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

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